研究課題
本研究は、カーボンナノチューブ(CNT)の光非線形性を利用して、将来の波長多重(WDM)光ファイバネットワーク用の新しいデバイスの研究を行うものである。CNTはナノテクノロジーの代表的な物質であるが、これまではCNTの光学特性はあまり注目されていなかった。最近、CNTが光ファイバ通信で用いられる波長1.55μm帯で高速(ps以下)な可飽和吸収特性をもち、光ファイバレーザ中に用いることで受動モード同期によりパルス幅1ps以下の短パルスが得られることが示された。さらに、NCTは大きな3次光非線形性(χ_3)をもつことがいくつかのグループから理論的に示されているが、いまだに実証されていない。これまでの我々の研究により、CNTが光ファイバ通信波長帯の波長1.55μm帯で可飽和吸収素子として働くことを示したが、CNTは動作波長をCNT径により変えることができる。実際のサンプルはいくつかの種類のSWNTが混ざっているため、光吸収に広がりをもつ。今年度は、まずCNTの基礎的な光学特性を測定し、これが波長1.55μm帯以外でも可飽和吸収特性をもつことを見いだした。さらに、これを応用し、波長1.55μm帯以外の波長、1.6μm帯・1.45μm帯・1.3μm帯・1μm帯でモード同期光ファイバレーザを実現することに成功した。さらに、CNTからの発光を利用した光デバイス、およびCNTの3次光非線形性の研究を現在進めているところである。
すべて 2005 2004
すべて 雑誌論文 (6件)
IEEE Photonics Technology Letters 掲載予定
Advanced Solid-State Photonics Topical Meeting (ASSP) no.WE7
2005年電子情報通信学会総合大会 no.C-3-131
OSA Optics Letters vo.29,no.14
ページ: 1581-1583
European Conf. on Optical Communication (ECOC'04) no.Th.1.3.4
Topical Meeting on Optical Amplifiers and Their Applications (OAA 2004) no.OMD3