研究課題
本研究は、カーボンナノチューブ(CNT)の光非線形性を利用して、将来の波長多重(WDM)光ファイバネットワーク用の新しいデバイスの研究を行うものである。我々の従来の研究では波長が1.55μm帯(Cバンド)の結果であったが、単層カーボンナノチューブは動作波長をチューブ径により変えることができる。実際のサンプルはいくつかの種類の単層カーボンナノチューブが混ざっているため、サンプルによっては光吸収に大きな広がりをもつ。このため、1.55μm帯(Cバンド)だけでなく、1.6μm帯(Lバンド)や1.48μm帯(Sバンド)でもモード同期光ファイバレーザを構成できることを示した。さらに、波長1.3μmで利得をもつプラセオジウム(Pr)ドープ光ファイバを用いた1.3μm帯モード同期光ファイバレーザ、波長1μmで利得をもつイッテルビウム(Yb)ドープ光ファイバを用いた1μm帯モード同期光ファイバレーザも実現している。さらに、CNTを用いた光スイッチングデバイスの研究を行った。光ファイバをD型に研磨したDシェイプ光ファイバ上にCNTを蒸着した光ファイバ型のデバイスを試作し、光スイッチングが可能であることを示すことができた。光ファイバの側面をコア部分から数μmとなるようにD型に研磨し、5cmのDシェイプ光ファイバを作製した。その研磨した部分にCNTを蒸着し、光ファイバ型CNTデバイスとした。この光ファイバ型CNTデバイスを非線形偏波回転による非線形光スイッチとして用いたところ、わずか5cmの光ファイバにもかかわらず50mW程度のパワーでスイッチングを実現できた。消光比も20dB以上が得られた。ここから計算される非線型定数γは10^6W^<-1>km^<-1>程度と見積もられた。
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2006年電子情報通信学会総合大会 no.C-4-6
Conf. on Optical Fiber Communications (OFC2006) no.OThQ3
Conf. on Optical Fiber Communications (OFC2006) no.OThQ2
IEEE Photonics Technology Letters vol.17,no.8
ページ: 1623-1625
Optical Electronics and Communications Conf. (OECC'2005) no.PDP8
Korean Photonics Conference Seoul, South Korea