研究課題/領域番号 |
04F04159
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
近藤 哲男 九州大学, バイオアーキテクチャーセンター, 教授
|
研究分担者 |
YANG Guang 九州大学, バイオアーキテクチャーセンター, 外国人特別研究員
|
キーワード | セルロース / ネマティティック配向 / ナノコンポジット / 構造・性質相関 |
研究概要 |
地球上で最も豊富に存在する天然有機高分子であるセルロースから、分子は良好に配向しているが非結晶性であるネマティック配向セルロース(NOC)という構造を形成させることに研究代表者らはすでに成功している。その表面は極めてユニークな性質を示し、その上で、セルロースの分子配向方向に他の物質を配列させる働きをもつ。さらに研究代表者らは最近、体外に高分子繊維を生産・分泌する生物体(微生物、細胞、カビ)などの培養用テンプレートとして用いると、分泌された繊維はNOC上に配列することを見出した。そこで本課題では、このコンセプトを発展させ、NOC表面上でのセルロース分子と無機または金属化合物の相互作用から、ユニークな配列パターンを表面にもつ無機ならびに金属化合物・セルロースナノコンポジットの創出をめざした。有機-無機複合材料の新たな構築法として、ネマチックオーダーセルロースをテンプレートとした無機ナノチューブであるイモゴライトの配向堆積と、その上での酢酸菌によるセルロースナノファイバーの生産方向制御とを組み合わせた。この方法によって、イモゴライトの無機層とセルロースの有機層が交互に積層した、新規な三次元有機-無機複合材料の構築に成功した。積層時の条件を検討することにより、ナノからマイクロスケールに至る階層構造をコントロールすることが可能となった。
|