研究課題/領域番号 |
04F04275
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
若林 幹夫 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授
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研究分担者 |
RYCHLOWSKA I.W 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 外国人特別研究員
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キーワード | ヘテロトピア / 視覚文化 / アソビ / 心理地図 / 宗教 / 擬人化 / オタク / コスプレ |
研究概要 |
今年度の研究では、東京都心の山の手地区と北東部の下町地区を対象とするフィールドワークを集中的に行い、とりわけ秋葉原、原宿、表参道地域の近年の再開発に注目して調査を行った。また、1年間にわたって東京も祭礼の観察も実施し、それらとの比較のため、日本の他の地区の代表的な祭礼の幾つかを調査した。いくつかのメディア・イベントの観察も行い、その解釈にも取り掛かったところである。これらの調査研究は、サイバー・スペースから東京で流通している消費財や個人の私有物の細部にまでいたる、様々なスケールに焦点をあわせている。 「遊戯する東京」、すなわち、遊びとそこに作用する権力の論理が、ここでの研究の重要な主題である。東京の想像的、幻想的、感情的な側面を構成している主要なファンタスマゴリーを、世界的な規模で展開する後期資本主義的な精神と比較するために特定する作業が行われた。また、日本の宗教、民俗的信念や文化と東京の都市デザイン、現代日本の消費財のデザインの調和や並存が明らかにされた。それらは、大規模な消費とサービスの社会であると同時に、不安を管理する後期資本主義社会の一つの現われである。 上記の研究を通じて、東京の視覚文化と「可愛い生き物」の美学、秋葉原の再開発とオタクの再定義、原宿とコスプレ、ゴシック・ロリータ文化の拡散等を主題とする計画中の著作の基本的なプランが構成された。これらの主題をめぐって書かれる予定の章のためのデータはほぼ70%集められ、現在解釈の最中である。
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