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2006 年度 実績報告書

非線形可積分系によって定義される特殊関数の研究

研究課題

研究課題/領域番号 04F04303
研究機関熊本大学

研究代表者

木村 弘信  熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 教授

研究分担者 FILIPUK Galina  熊本大学, 理学部, 外国人特別研究員
キーワードSchlesinger系 / middle convolution / モノドロミー保存変形 / 特殊関数 / twistor理論
研究概要

可積分系の中で,モノドロミー保存変形と関連したパンルベ方程式およびシュレジンガー系についての研究を行った.テーマは1)Middlec convolution (MC)とモノドロミー保存変形,2)Twistor理論によるモノドロミー保存変形の記述,である.
1)MCはN.Katzにより射影空間P^1上の一般のrigid local systemを(x-a)^cで定義されるsimple rigid local systemから構成するために見出されたfunctorであるが,DettweilerとReiterにより線型代数を用いて記述されることによって,rigid local systemだけでなく,accessary parameterを持つ(従ってrigidでない)一般のFuchsian systemに適用可能となった.MCはFuchsian systemの既約性,accessary parameterの数,特異点の位置を保つが方程式のサイズは変化する可能性がある.また,Fuchsian systemの族に適用した場合にどのような性質が保たれるか不明であった.本研究ではモノドロミー保存変形を記述するFuchsian systemの族は,MCによって再びモノドロミー保存変形族に移されることを示した.その応用として,パンルベ方程式P^6に対して岡本によって得られていたBacklund変換が,MCによって得られることが示される.
2)Twistor理論の立場からSchlesinger系およびその一般化をGL(N)-反自己双対Yang-Mills方程式(GASDYM)の特殊解と捉えることによって,次のことを行った.
(1)Painleve方程式に対応する(退化した系も含む)一般Schlesinger系をGrassmann多様体Gr(2,N)上の微分方程式として統一的に導出できること.
(2)一般超幾何関数の対称性を記述するワイル群の作用を,自然に一般Schlesinger系の対称性の群として実現でき,そのことによって,退化によってパラメータが減るという事実の群論的な理解が得られた.
(3)一般Schlesinger系に対する退化(合流)の操作を構成することができる.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006 その他

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Confluence of the general hypergeometric systems2006

    • 著者名/発表者名
      H.Kimura, K.Takano
    • 雑誌名

      Tohoku Math. Journal 58

      ページ: 1-31

  • [雑誌論文] 退化Schlesinger系とTwistor理論

    • 著者名/発表者名
      H.Kimura
    • 雑誌名

      数理解析研究所講究録 2007(to appear)

  • [雑誌論文] Middle convolution and deformation for Fuchsian systems

    • 著者名/発表者名
      Y.Haraoka, G.Filipuk
    • 雑誌名

      J.London Math.Society (to appear)

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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