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2005 年度 実績報告書

コロイド系相分離の実空間解析

研究課題

研究課題/領域番号 04F04317
研究機関東京大学

研究代表者

田中 肇  東京大学, 生産技術研究所, 教授 (60159019)

研究分担者 ROYALL CHRISTOPHER PATRICK  東京大学, 生産技術研究所, 外国人特別研究員
キーワードコロイド / 枯渇効果 / 臨界ダイナミクス / 相分離ダイナミクス / 実空間解析 / 流れの自由度 / 動的多体問題 / 超高速三次元観察
研究概要

大小異なるコロイド混合系における枯渇相互作用は、大きい粒子の周りの小さい粒子の配置エントロピーに起因する純粋なエントロピー起源の相互作用である。これらの系のダイナミクスを議論する際には、「小さなコロイドの局所秩序化」、「液体の流れという自由度」などの因子を考慮することが不可欠であるが、これは、系を構成する複数の要素と流体の運動との複雑な動的結合のため、極めて困難な動的多体問題と言える。そのため、その工学的・生物学的重要性にもかかわらず、これらの系のダイナミクスは物理的には未踏の領域といっても過言ではない。本研究では、可視化用コロイド粒子の合成技術と粒子の3次元可視化、実時間粒子運動捕捉技術、超高速3次元観察技術を融合することで、これまで不可能であった、「コロイド混合系の臨界ダイナミクス・相分離ダイナミクスを個々の粒子の運動レベルの情報に基づき解明すること」を目指す。
本年度は、前年度開発した各コロイド粒子の実時間粒子運動捕捉技術を用いて、コロイド混合系の枯渇効果による臨界・相分離ダイナミクスの定量的な観測(動径分布関数、散乱関数の変化。フラクタル解析など)を行った。その結果、臨界点近傍における揺らぎのダイナミクスを一粒子レベルで観測することに初めて成功した。つまり、クエンチ深さを変えることで、揺らぎの相関長が一粒子の大きさから連続的に平均場で記述することのできるマクロな大きさまで成長することを明らかにした。また、相分離界面において、粒子が界面に沿って層構造形成するlayering現象を初めて捉えることに成功した。これらの結果は、マクロなスケールの臨界現象と粒子レベルのミクロな情報がどのようにリンクしているかという基本的な問題について、貴重な知見を与えてくれる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Fluid structure in colloid-polymer mixtures : the competition between electrostatics and depletion2005

    • 著者名/発表者名
      C Patrick Royall, Dirk G A L Aarts, Hajime Tanaka
    • 雑誌名

      Journal of Physics : Condensed Matter 17・45

      ページ: S3401-S3408

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2013-09-18  

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