研究課題/領域番号 |
04F04330
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
山内 尚雄 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 教授
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研究分担者 |
MATVEJEFF Mikko Ilya 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 外国人特別研究員
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キーワード | Correlated electron systems / Soft chemical approach / Half metallic / TMR / Oxygen nonstoichiometry / Spinel structures / Nanosaize oxides |
研究概要 |
高いスピン偏極度を持ちスピントロニクス応用が期待されるハーフメタル物質は、現時点ではホイスラー合金類と4種の酸化物が知られているのみである。そこで本研究では、新規ハーフメタル酸化物の探索研究をおこない、同時にハーフメタル電子構造の発現に強く関わるパラメータを探究することを目的とする。 本プロジェクトは平成16年11月24日より開始され、現在は以下に述べる実験準備を行っている最中である。既知の酸化物ハーフメタル4種のうち2種が(結晶構造が異なるものの)Fe酸化物である事実を踏まえ、様々な構造のFe酸化物を合成し、それらの磁気・輸送特性と(中性子回折に基づく)結晶構造、及び(メスバウア分光に基づく)Feの原子価状態との相関を解明する。さらに、結晶構造データに基づくバンド計算によりハーフメタル特性を確認する。 本研究では特に、ハーフメタル発現の鍵を握る混合原子価状態を持つことが予想されるスピネル型酸化物InFeCoO_4に注目し、現在までに合成条件を最適化し高品質試料の作製に成功している。今後はナノスケールにおける結晶粒径の制御手法の確立を目指し、得られた試料について結晶構造解析及び物性評価を行う予定である。
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