研究課題
数理弁証法的理論学モデリング(MDL)考え方に基づき、土砂侵食モデルを構築し、そのモデルにおける弁証法的要素を例示した。モデルに含まれる係数やべき指数は変動しうるが、理論的にはすべての影響要素を表現しうること、地球科学的現象や過程の複雑な時空間変化を表現できることを示した。幾何学的観点からは、3次元地理情報システム(3D GIS)モデリングは、表面解析、体積解析及びハイブリッド解析の三つに分類できる。今までのところ、固体系の地物にはこれらのアプローチは適切であるが、流動する水や土砂のような流体系の柔らかい地物に対して理想的なGISモデリング手法はなかった。本研究では、GIS流体要素(FE)とGISソフトヴォクセル(SV)を地表面流と土壌浸食のシミュレーションに用いた。GIS FEは位置、速度及び方向をもつ一方、体積が考慮されないが、リモートセンシング画像の画素(ピクセル)ごとに形成され、ソフトな地物の力学的挙動をシミュレートする地球科学的モデルによって動かされる基本的なシミュレーション単位である。一方、GIS SVは、位置、速度、方向及び体積をもち、陰関数で定義される等価関数面によって覆われるものであって、これもリモートセンシング画像のピクセル内で地球科学的モデルにより動かされる。これらは基本的にソフトな地物の変革のシミュレーションのために利用できる。中国の黄土高原の小流域において、MDLに基づく土壌浸食モデルを構築し、この手法によるシミュレーションの精度を検証した。また、Visual C++とOpen GLというプラットフォーム上で、地表面流と土壌浸食を現実的な形で可視化シミュレーションを実現した。
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International Journal of Geographical Information Sciences 20(3)
ページ: 261-271
Annuals of Disaster Prevention Research Institute, Kyoto University No.48B
ページ: 25-31