研究課題
モハメッド研究員は平成16年11月に来日し、大場指導教授の下で、平成18年度は下記の作業を行なった。1.ストリートキャニオン内部の流れと拡散に関する風洞実験市街地汚染ガス拡散における基本の大気安定度は中立である。この状況を対象に環境系境界層型風洞を使用して拡散模型実験を行った。市街地はストリートキャニオンを想定し、煙源は道路線源とした。道路幅と風向角を系統的に変化させて、街区空間の鉛直濃度分布を測定した。また、方向成分の風速が検出できるスプリットプローブを用いて気流場の風速ベクトル分布と乱流エネルギーを測定し、ストリートキャニオン内部の気流データを蓄積した。2.単独高層建物後流域の拡散性状に関する風洞実験濃度変動に着目して、高応答型炭化水素分析計で詳細に測定した。建物後流域では、乱流混合により速度境界層の発達が抑制され、建物から離れるに従い、地点間の濃度差が減少することがわかった。3.ストリートキャニオン内部の流れと拡散に関するCFD解析風洞実験データを基に、k-ε系RANSモデルの精度検証を行った。CFDは中立大気の風洞実験の平均風速、乱流エネルギーの結果を良く再現できることを示した。4.大気安定度の流れ場での単独建物周りの汚染拡散と流れの風洞実験次に大気安定度の流れを再現できる本学の温度成層風洞を用いて、単独模型周りの拡散実験を実施した。屋根形状はエジプトの現代住宅を模した数種類を作成した。気流の温度勾配は床面冷却パネルと気流加熱装置により作成し、汚染質拡散を抑制する安定流れと汚染質拡散を増大させる不安定流れを風洞内に形成した。作成したバルクリチャードソン数は±0.02である。煙源は建屋煙突とし、大気安定度のバルクリチャードソン数と汚染質拡散の関係を調べた。建物近傍汚染防除・軽減策に関する基本的なガイドラインを作成する上で、貴重なデータを集積した。
すべて 2006
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14^<th> joint conference on application of air pollution meteorology with the air and waste management(Atlanta, USA)