[110]に配向したシリコンナノワイヤーの第一原理計算を行い、これらのシリコンナノワイヤーは間接遷移型のバンドギャップを持つことを初めて明らかにした。これらのナノワイヤーはバルクシリコンの構造をコアに持ち、(100)と(110)面の結合を二つもっている。さらに(100)面はバルクの(100)面と同じダイマー化を起こすことを示した。そのダイマーは互いに垂直な方向を向いている。これらの情報はシリコンナノワイヤーの性質を理解する上で有益で、この興味深い結果は太いナノワイヤーの多形(同質異像)の可能性を示した。しかしこれは半導体の性質には影響を与えない。これらの結果はナノデバイスの要素としてシリコンナノワイヤーを使う上で有益な情報である。 平均直径、形状、配向によって変化させた水素化シリコンナノワイヤーの電子状態と原子構造について計算を行った。多くのシリコンナノワイヤーは大きな間接遷移バンドギャップを持ち、シリコンベースのナノオプトエレクトロニクス材料となる可能性を示した。直径の減少とともにバンドギャップは大きくなり、それはシリコンナノワイヤーの形状に強く依存することを明らかにした。実験による正確な形状の決定は光学材料として重要である。[112]方向のシリコンナノワイヤーの計算結果は最近の実験結果と一致していた。さらに水素濃度を調整することにより、p型n型の半導体の実現が可能となることを示せた。
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