研究概要 |
米国のスペースシャトルでは、熱防御システム(Thermal Protection System, TPS)の材料として多くのセラミックタイルが使用されている。セラミックタイルは断熱性には優れるが、再使用性と整備性には問題が多く、検査・整備・修理等に多大なコストを要しているのが現状である。本研究では、TPSの整備性と再使用性の大幅な向上を目指して、SiC/炭素系複合材料等の無機系超耐熱複合材料を用いたスタンドオフ型のTPSに関する基礎的な検討を行うことを目的とする。 本年度は、数種類のSiC/炭素系複合材料を試作するとともに、力学的・熱的特性評価を実施するための準備を行った。また、SiC/炭素系複合材料を適用したスタンドオフTPSに関する構造解析を行って、材料特性値の影響について予備的な検討を行った。 1、SiC/炭素系複合材料の試作 SiC/炭素系複合材料の基本仕様について検討し、数種類の複合材料の試作を行った。 2、力学的・熱的特性評価試験の準備 力学的・熱的特性評価試験を行うため、試験方法の検討を行った。また実際の試験に必要となる機器および計測器等の準備を行った。 3、スタンドオフTPSの文献調査と予備的な構造解析 スタンドオフTPSに関する文献調査を行い、基本構造についての整理を行った。また、有限要素法による熱解析、応力解析を開始した。
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