研究課題/領域番号 |
04F04431
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
渡部 終五 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授
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研究分担者 |
HOSSAIN Md..Anwar 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 外国人特別研究員
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キーワード | マエソ / ワニエソ / ミオシン重鎖 / cDNAクローニング / ミトコンドリア / 16S rRNA遺伝子 / 魚肉加熱ゲル / L-メロミオシン |
研究概要 |
魚肉の加熱ゲル化は魚種特異性が高く、グチ類やエソ類では加熱ゲル形成能が高いとされる。既にグチ類については魚肉の主要タンパク質成分で加熱ゲル形成に主体的な役割を果たすミオシンの分子レベルの解析が進んでいる。一方、エソ類についてはほとんど知見がない。本研究はこのような背景の下、エソ類ミオシンの重鎖サブユニットをcDNAクローニングし、一次構造解析することを目的とした。 エソ類は数種存在することが知られている。そこで本研究では漁獲量が多く、練り製品原料としてよく使われているマエソSaurida undosquamisおよびワニエソS.wanieso活魚を高知県の沿岸で採取し、直ちにRNA laterで固定し、冷却しつつ東京の研究室に持ち帰った。 両魚種は小型の場合は魚種の判別が容易でない。そこで固定した筋肉から常法により全DNAを調製し、既報のプライマーを用いてミトコンドリア16S rRNA遺伝子の部分領域を増幅して塩基配列を決定し、データベースに登録されている配列と比較しつつ、採取した試料の魚種を正確に判別した。 次に、両魚種の普通筋(速筋)から常法によりfirst strand cDNAを調製した。さらに、既報の魚類普通筋ミオシン重鎖遺伝子の塩基配列を基にプライマーを設計し、前述のようにして得られたfirst strand cDNAを鋳型にPCRによりミオシン重鎖遺伝子のC末端側L-メロミオシンの部分領域を増幅した後、サブクローニングし、DNAシーケンサにより塩基配列を決定した。 その結果、マエソから4種類のcDNAクローンが得られ、それらの塩基同一率は91〜96%、演繹アミノ酸同一率は96〜98%であった。一方、ワニエソからは5種類のcDNAクローンが得られ、それらの塩基同一率は91〜99%、演繹アミノ酸同一率は97〜100%であった。
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