研究課題
ヘテロクロマチンおよびユークロマチン状態と転写頻度との相関を示すPosition Effect Variegation(PEV)解析系を構築した。ショウジョウバエp因子存在下にてp因子応答配列があらゆるゲノム上へランダム転移が可能である性質を利用し、複眼色素の強弱により染色体構造状態を検討する。まず遺伝的白眼をもつショウジョウバエ条件下でp因子応答配列内に赤眼となる遺伝子をAndrogen Receptor(AR)応答配列下流に構築したARレポーター遺伝子(ARE)を導入した。その結果、ユークロマチンにAREを挿入されたショウジョウバエを作出ことに成功した。このARE遺伝子発現ショウジョウバエを用い、P因子によって、ランダムにAREを転移させ、ヘテロクロマチンおよびユークロマチンにAREが挿入された複数のショウジョウバエ系統を同定した。このARE遺伝子導入位置がユークロマチン領域であればアンドロゲン依存的に複眼は赤色を呈すが、ヘテロクロマチン領域であれば転写は抑制化状態にあり、赤目遺伝子の発現は抑制される。すなわちアンドロゲン依存的にレポーター遺伝子位置の染色体構造状態を個体レベルで視覚的に把握できる解析系の構築に成功した。現在、この解析系を用い、アンドロゲン依存的にクロマチン変換される因子の取得のため、スクリーニングを行った。その結果、DNA、RNA、およびクロマチンに結合する因子、転写制御因子などを取得した。現在、この解析系からこれら染色体状態で必要とされる染色体構造調節因子の中に、non-stop, Mu-2,及びBoule三つ因子のhuman homologueをsubcloningし、機能解析を行っている。
すべて 2005
すべて 雑誌論文 (2件)
J.Pharm.Experim.Therapeutics 315
ページ: 545-552
Biosci.Biotechnol.Biochem. 69
ページ: 2236-2239