• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2005 年度 実績報告書

有機スズによる海洋汚染及び生物毒性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 04F04476
研究機関東京大学

研究代表者

宮崎 信之  東京大学, 海洋研究所, 教授

研究分担者 YANG Jian  東京大学, 海洋研究所, 外国人特別研究員
キーワード有機スズ / 海洋 / 汚染 / 生物毒性 / 淡水 Mussel Watch
研究概要

有機スズ化合物は船底塗料や漁網の汚染防止剤などにつかわれ、世界各地で海洋環境に深刻な影響を及ぼしている。いままでの研究では、中国と日本の代表的な水生動物に注目して、その汚染実態と生物影響を調査することを目的としている。特に、伝統的なイルカ漁業で得られたイシイルカ(Phocoenoides dalli)の新鮮な組織サンプルを材料として、最新の分析方法を駆使して、イシイルカにおけるプチルスズ化合物質の蓄積特性及びその特性と他の14微量元素(Hg、Cr、Mn、Co、Cu、Zn、Sr、Ag、Cd、V、Se、Pb、Mo、Fe)の蓄積、代謝の異同を解明してきた。同時に、イシイルカの親子個体の組織濃度と負荷量を詳しく調査して、プチルスズ化合物質の親子の移行とそのメカニズムを明らかにし、人間も含めて哺乳動物に対する影響を示唆した。更に、新しい試み"淡水Mussel Watch"の研究として、トブガイ貝類(Anodonta woodiana)は生物モニタリングの種類として確立され、有機スズが進んでいる中国の太湖に五つの調査点(湖州、宜興、武進、三山島と五里湖水域)を設け、そのサンプルを採集し、プチルスズと有機塩素系DDTsとHCHs化合物質を測定し、有機スズ化合物汚染の実態、地域の差異及びDDTsとHCHs化合物質の蓄積との関係を把握した。現在、イシイルカやトブガイ貝類におけるフェニルスズ化合物質を注目して、プチルスズ化合物質との代謝能力の比較を行っている。中国では、これまで有機スズの研究がほとんど実施されていないので、有機スズ化合物に関する規制が皆無である。したがって、上記の成果は、これから中国の水環境における有機スズを含む人工化学物質の汚染の規制などの総合的な対策を実施する際に重要な役割を果たすと考えられる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Trace elements and butyltins in a Dall's porpoise(Phocoenoides dalli)from Sanriku coast of Japan2006

    • 著者名/発表者名
      YANG, Jian
    • 雑誌名

      Chemosphere (in press)

  • [雑誌論文] Bioaccumulation of butyltins in a mother-fetus pair of Dall's porpoises(Phocoenoides dalli)2006

    • 著者名/発表者名
      YANG, Jian
    • 雑誌名

      Chemosphere (in press)

URL: 

公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi