平成16年11月から平成17年3月の5ヶ月間の概要である。 この期間には、主に、1.マイクロアレイを用いた熱ショック蛋白質(HSP)の発現変化の解析、2.二次元電気泳動・LC-MSMSを用いた癌細胞のプロテオミクス解析、3.新規HSP分子のクローニングと解析を行ってきた。 まず、マイクロアレイによる解析の結果、Fas刺激耐性、抗癌剤耐性の細胞株では、HSP90とHSP40の増加を認め、HSP70には変化を認めなかった。他のいくつかのHSPファミリー蛋白質に変化を認めたが、現在さらに解析中である。次に、プロテオミクス解析では、本腫瘍細胞株において発現変化を認め、腫瘍の細胞死制御に関して興味深いと思われる蛋白質(二次元電気泳動のスポット)の同定(LC-MSMS解析)を開始している。最後に、細胞死制御に関わると推測される全く新規のHSP40ファミリー分子DNAJB8、及び、DNAJB12の遺伝子クローニングを行い、解析に必要な発現ベクターを各2種類作製した。現在、細胞内局在、アポトーシスに及ぼす機能を解析中である。
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