研究課題/領域番号 |
04F04514
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研究機関 | 独立行政法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
内田 利弘 独立行政法人産業技術総合研究所, 地圏資源環境研究部門, 研究グループ長
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研究分担者 |
KWON Hyoung Seok 独立行政法人産業技術総合研究所, 地圏資源環境研究部門, 外国人特別研究員
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キーワード | 電磁探査法 / ループ・ループ / 多重周波数 / 見掛比抵抗 / バイアス補正 / 可探深度 / 地盤液状化 / 漏水探査 |
研究概要 |
電磁探査データの解析法について、以下の項目について研究を実施した。 土壌汚染や地下水汚染などの地質環境分野、または地滑りや地盤液状化評価などの土木・防災分野では浅部地盤が重要な対象である。本研究では、電磁探査を適用して地下浅部の比抵抗構造をマッピングする方法について検討した。地層の比抵抗と深度情報を高精度に推定するために、小形ループを送・受信源で用いる多重周波数ループ・ループ電磁探査解析方法を検討した。 電磁探査装置GEM-2の計測データについて、種々のデータ処理やインバージョン解析を試み、最適な処理・解析法を検討した。送・受信源の距離が近い場合は送・受信ループの高さが測定データに強い影響を及ぼすのでループの高さを考慮して見掛比抵抗を計算する数式を導出した。小形ループシステムの問題点として、システム特性の較正の不完全性と環境ノイズによる発生するバイアスがある。測定データに含まれるバイアスを評価するために、センサーを鉛直方向に高く上げ、環境ノイズを測定した。観測されたバックグラウンドノイズを測定データから差し引いて、バイアスを補正する方法を検討した。電磁探査データのインバージョン手法として、非線形最小二乗法(Marquardt-Levenberg法)によって地層の比抵抗と深度を共に得る方法と、平滑化拘束を使って地層の比抵抗を得るOccam法を適用して分解能について検討した。さらにインバージョシ結果の解釈において重要である可探深度を地層のコンダクタンスから算出した。 それらの結果をもとに、沿岸の海水浸透域や液状化地盤の実験地におけるデータを解析し、信頼性の高い比抵抗構造を得た。さらに人工模擬地盤における基礎実験を行って漏水領域を高精度にマッピングした。本手法は我が国においてはまだ新しい分野であり、地質調査業界からの解析法開発のニーズが強く、本研究はそのニーズに即して実施しているものである。
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