研究課題
マイクロ燃料電池用固体電解質として、イッテリビウム(Yb)ドープセリア及びテルビウムドープセリア系化合物に注目し、Yb_xCe_<1-x>O_<2-x/2>(0.1【less than or equal】x【less than or equal】0.25)とTb_xCe_<1-x>O_<2-x/2>(0.1【less than or equal】x【less than or equal】0.25)という組成を有する計8種類の化合物について平均粒子径30ナノメーター程度の易焼結性ナノサイズ固溶体粉末の作製に成功した。この易焼結性ナノ粉末を用いて、平均粒径200ナノメーター以下の高密度焼結体を作製し、その微細構造と導電特性の関係を精査した結果、Yb_xCe_<1-x>O_<2-x/2>系においては、10ナノメーターを超える大きさの、極めて大きなc型希土類構造に由来する酸素欠陥の秩序構造を持つマイクロドメインが、焼結体内に入り組むように点在し、このマイクロドメインが、焼結体の導電特性を著しく低下させていることが分かった。一方、Tb_xCe_<1-x>O_<2-x/2>系においても、マイクロドメインは観察され、その結晶構造は、Tb_3O_4に代表される欠陥ホタル石構造であり、そのサイズは、Yb_xCe_<1-x>O_<2-x/2>系に比して小さいものの、マトリックスであるセリアのホタル石構造とマイクロドメインの欠陥ホタル石構造は2層分離を起こしており、その結果、電子伝導性が高い化合物となることが分かった。両者の違いは、ナノメータースケールにおいて、マイクロドメインが、整合界面を有する場合には酸化物イオン伝導性が支配的になり、マイクロドメインとマトリックスの間に、完全な2相分離を生じる場合は、半導性が支配的になることが明らかになり、燃料電池用高性能固体電解質の設計に、ナノメータースケールにおけるマイクロドメイン/マトリックス界面の設計が極めて重要であるという、極め重要かつ新規な知見が得られた。
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International Journal of Nuclear Research (印刷中)
Materials Processing for Properties and Performance (MP3) volume 4, SBN No.981-05-4193-7
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Materials Processing for Properties and Performance (MP3) volume 4 ISBN No.981-05-4193-7
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