• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2005 年度 実績報告書

亀裂の発達した下層土を通じたコロイド吸着態および溶存態カドミウムの移動

研究課題

研究課題/領域番号 04F04575
研究機関独立行政法人農業環境技術研究所

研究代表者

加藤 英孝  独立行政法人農業環境技術研究所, 化学環境部, 研究リーダー

研究分担者 TANG Xiangyu  独立行政法人農業環境技術研究所, 化学環境部, 外国人特別研究員
キーワードカドミウム / 土壌 / コロイド担体輸送 / 粗大孔隙 / 溶質移動
研究概要

1.土性の異なる2つの対照的な転換畑土壌(高田および千葉土壌)に0または25mmol kg^<-1>のCa(OH)_2を混和後,CdCl_2溶液に2ヶ月間浸したのち徐々に乾燥させ,全Cd含量3または30mg kg^<-1>のCd汚染土壌(<2mm)を調製した.調製した土壌試料に1〜10mM CaCl_2溶液を加えて振とうし,Cd脱離実験を行った.両土壌とも,添加したCdは水ではほとんど抽出されず,抽出液のCaCl_2濃度が増すと,Ca^<2+>とのイオン交換およびCdCl^+錯体形成のために,Cd脱離量が著しく増加した.土壌へのCa(OH)_2添加は,土壌pHを約1pH単位上昇させ,Cd脱離量を著しく減少させた.以上の結果および土壌粒子の分散は電解質存在下で抑制されることから,土壌中のCd移動に対する溶存態での移動の寄与は,溶液のイオン強度が増すにつれて増大すると予想される.
2.Cd添加土壌を水中で振とう後,粒径0.5,2および20μm以下の画分の分散土壌粒子を採取し,Cd保持量を求めた.Ca(OH)_2添加土壌ではpHが高かったにもかかわらず,予想に反して,水分散土壌粒子の粒径分布はCa(OH)_2無添加土壌ときわめて類似しており,Cd含量にも目立った影響は見られなかった.また,粒径2〜20μmの画分を除き,水分散土壌粒子のCd含量はバルク土壌のそれとほぼ等しかった.
3.Cd汚染土壌および亀裂を含む不撹乱下層土からなる二層カラムへの蒸留水/CaCl_2溶液の浸入実験を開始した。これまでに得られた予備的な実験結果によれば,カラム流出液の懸濁物質,Cd濃度およびコロイド吸着態Cdの占める割合には,流出液のイオン濃度だけでなく,土壌中の間隙水流速の影響も見られた.水分散性粒子の放出過程は複雑であるが,その解明はコロイド吸着態でのCdの可動化過程を明らかにする上で不可欠であり,今後さらに検討を進める予定である.

URL: 

公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi