研究課題/領域番号 |
04F04577
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研究機関 | 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
中嶋 光敏 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品総合研究所, 研究領域長
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研究分担者 |
BOON-SEANG CHU 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品総合研究所, 外国人特別研究員
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キーワード | 生体ナノ粒子 / 固液分散系 / カロテノイド / βカロテン / 高圧乳化 / 脂溶性生理活性物質 |
研究概要 |
β-カロテンは多くの植物や、動物に含まれている色素のひとつであり、プレビタミンAとなる、抗酸化作用をもつなど、生体で効果的にはたらくことが認知されている。β-カロテンは多くの植物に含まれているため安価であり、生理学的効果を有するなど利点が多い一方で、脂溶性で融点が高いことや吸収が低いことなどが応用開発への大きな課題となっている。本研究では、脂溶1性生理活性物質のモデルとしてβ-カロテンを用い、これを水中に微細な結晶として存在させた固液分散系を作製し、この評価を行った。具体的にはまず液中乾燥法と溶媒置換法により、タンパク質により安定化されたβ-カロテンナノ粒子の作製に成功した。平均粒子径は15-20nmであり、実験条件から、例えばタンパク質およびβ-カロテンの濃度など様々な要因が粒子径に影響を及ぼすことを明らかにした。また、カゼインで作製された粒子は他のタンパク質を用いて作製された粒子と比べ平均粒子径小さくなり、エマルションの安定性も高いことがわかった。また、カゼインを用いたβ-カロテンナノ粒子の高い表面電荷が安定性を高めているということがわかった。本技術の食品への応用にあたっては、食品加工時の温度(低温殺菌、滅菌、調理温度)やpHおけるナノ分散系の安定性が重要となる。カゼインは熱安定性の高いタンパク質であるため、180℃、5時間の条件においても、β-カロテンナノ粒子の粒径における変化は最小限であった。しかしながら、pH5付近においては分散系相分離が見られた。
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