研究課題/領域番号 |
04F04584
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研究機関 | 独立行政法人農業環境技術研究所 |
研究代表者 |
藤井 毅 独立行政法人農業環境技術研究所, 企画戦略室, 室長
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研究分担者 |
CHU Haiyan 独立行政法人農業環境技術研究所, 生物生態機能研究領域, 外国人特別研究員
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キーワード | 温室効果ガス / 土壌微生物相 / PCRーDGGE法 / アンモニア酸化細菌 / 亜酸化窒素 / Nitrosospira / amoA / 長期連用ほ場 |
研究概要 |
農業環境技術研究所構内にある温室効果ガス発生制御施設において、異なる栽培履歴の試験ほ場(水田連用、水田2年:陸稲2年、水田2年:ダイズ・小麦2年)を設定し、年間を通じて自動的にほ場からの温室効果ガス、特に亜酸化窒素ガスの発生をモニタリングした。その結果、水田からは亜酸化窒素ガスはほとんど発生しなかったが、水田から転換した畑において著しい亜酸化窒素ガスの発生が認められた。また、その発生パターンは畑に栽培している作物によって異なっており、転換畑からの亜酸化窒素ガス発生には、栽培する作物も影響を及ぼすことが示唆された。また、温室効果ガスの発生と土壌微生物相の関連を解析するため、2年間にわたり各試験ほ場における作物の栽培や施肥の各タイミングにあわせて、各ほ場の土壌を採取し、それぞれの土壌からDNAを抽出、PCR-DGGE法により、それぞれの土壌に含まれる細菌の16S r DNA断片やアンモニア酸化細菌のamoA遺伝子断片を解析した結果、アンモニア酸化細菌NitrosospiraのamoAの特定の酵素群が、転換畑からの著しい亜酸化窒素ガス発生に関与していることが示唆された。 一方、16年にわたる長期間、有機肥料及び化学肥料(窒素・リン酸・カリ区、窒素欠乏区、リン酸欠乏区、カリ欠乏区)を連用している中国に設定した試験ほ場の土壌からDNAを抽出して、PCR-DGGE法を用いて土壌微生物相の比較を行った結果、化学肥料連用ほ場と有機肥料連用ほ場では、土壌微生物相が異なっており、特に亜酸化窒素発生に関わるアンモニア酸化細菌群には、肥料の種類が大きな影響を及ぼすことが明らかとなった。特に化学肥料成分のバランスよい施肥が、土壌におけるアンモニア酸化細菌群の硝化活性に大きな影響を及ぼすことを明らかにすることが出来た。
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