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2005 年度 実績報告書

食品成分による脂溶性栄養機能成分の成体利用性調節に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 04F04586
研究機関独立行政法人食品総合研究所

研究代表者

長尾 昭彦  独立行政法人食品総合研究所, 食品素材部, 室長

研究分担者 YONEKURA Lina  独立行政法人食品総合研究所, 食品素材部, 外国人特別研究員
キーワードカロテノイド / Caco-2 / 食物繊維 / リゾホスファチジルコリン / コレステロール / β-カロテン / ミセル / 腸管吸収
研究概要

脂溶性栄養機能成分であるカロテノイドは,野菜や果実に豊富に含まれるがその生体利用性が非常に低い。同時に摂取される他の食品成分がカロテノイドの溶解・吸収に影響を及ぼすものと考えられる。そこで、カロテノイドの腸管吸収に対する食品成分の影響を調べるため,β-カロテン、ルテイン、ネオキサンチン等の異なった極性のカロテノイドを用いて,これらの吸収に対する脂質や食物繊維の影響をin vitro吸収モデル(Caco-2ヒト結腸がん由来腸管モデル細胞)を用いて解析した。
タウロコール酸,モノアシルグリセロール,遊離脂肪酸,リン脂質及びコレステロールから構成される腸管混合ミセルモデルにカロテノイドを可溶化させ,種々の食物繊維やリン脂質を添加し、Caco-2細胞と2時間,37℃でインキュベートした。細胞へ取り込まれたカロテノイドを抽出しHPLCで分析した。
ペクチン、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、アルギン酸を加えて、β-カロテンの取り込みへの影響を調べた。ペクチン以外の食物繊維の存在下で、ミセル溶液粘度とβ-カロテンの取り込みの間に負の相関関係が見出され,食物繊維は粘度を高めミセルの拡散速度を低下させることによってβ-カロテンの取り込みを抑制することが示唆された。リゾホスファチジルコリンによるカロテノイド取り込み促進効果は,β-カロテンで顕著でネオキサンチンでは小さかった。コレステロールが共存するとリゾホスファチジルコリンによる促進効果は顕著に抑制されことが見出され,コレステロールはカロテノイドの腸管吸収に大きく影響することが示唆された。混合ミセルの粒径とカロテノイド取り込みには相関は認められなかった。フィトフルエンを蛍光プローブとして混合ミセルの蛍光偏光を測定した結果,偏光値はミセルによって顕著に異なり,ミセル中のカロテノイドの存在状態に差があることが示唆された。

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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