人工筋肉の動きは、高分子の体積がpH、溶媒、温度などの外的刺激に応答して変化することによって生じる。我々は、新規な非常に高い機械的強度を持つ二重網目構造(ダブルネットワーク)ゲルを用いて、生体親和性を有する新たなマイクロアクチュエータを開発することに着手した。ダブルネットワークゲルの構造や材料を向上させ、レーザーゲル光加工技術を用いて、二次元、あるいは三次元にパターニングを行った。これらの方法を用いることによりさらに高分子ゲルアクチュエータの作製を試みた。すなわち刺激応答性高分子ゲルに二重網目構造(ダブルネットワーク)を導入することにより、充分な機械的強度をもつ高分子ゲルを合成し、さらに光加工技術を用いた実験を行い、刺激応答性高分子ゲルを三次元的にパターンニングすることで、アクチュエータを作製する合成法やパターンの形状を広く変えて、その運動性や応答性を向上させるとともに、その運動制御も同時に目指した。 その結果UV光源を用いることにより、三次元の7μmの解像度でパターンが得られた。また有機溶媒を用いた場合には、2フォトン吸収(可視光線)を用いることでパターンの作成が可能であることが分かった。研究の最終段階では、新たなアクチュエータの構想を提示するに至った。
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