研究概要 |
本研究では、高い装置は使わずより簡単な方法で機能性自己組織化単分子膜(Self Assembled Monolayer, SAM)をサブマイクロメータースケールでパターニングし,そのパターンを基にマイクロマシニングの製作技術を応用すること(ボトムアップ方式)と従来のMEMS技術を用いてさらにナノスケールのステンシルマスクを製作し最終的には、製作したナノステンシルマスクで蒸着により様々な材料を直接基板の上にパターンする(トップダウン方式)新ナノパターニング技術を開発することである。その両技術を融合し、パターンだけではなくナノ構造を製作した。昨年度は、SOI基板を用いてマイクロ加工技術により、シリコン結晶構造からの異方性エッチングを利用し、Low Stressのシリコン材料でナノスケールのステンシルマスクを製作した。また、新タイプの硬いPDMSスタンプを用いたマイクロナノコンタクトプリンティング法により広範囲にわたるSAMのナノパターンを作製しているが、信頼性のあるナノスケールのパターニングテクノロジーを実現するために、分子レベルの2次元的な構造制御が必須であり、SAMを利用したナノファブリケーション技術についても研究を進めていた。この技術を用いて、バイオ・化学プロセスで必要となる流路や反応容器だけでなく、反応機構を単分子レベルで明らかにするツールとして、様々の機能を持つプローブ、形のそろった標識粒子(ナノタッグ)、ナノ電極の作製を可能とした。なお、ナノステンシルマスクパターン技術に関しては、マスクと表面の間のギャプとの関係や、現在作製可能な最先端の小さいマスクのパターンと厚み,マスクのstress等を調べって、十分対応できる性能を実現できた。
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