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2007 年度 実績報告書

受容的な話の聴き方のモデル化-非言語情報のシンクロニー-

研究課題

研究課題/領域番号 04J00077
研究機関京都大学

研究代表者

長岡 千賀  京都大学, こころの未来研究センター, 特別研究員(PD)

キーワード対人コミュニケーション / 話の聴き方 / 非言語的行動 / シンクロニー / 2者間相互影響
研究概要

受容的な話の聞き方とは,言い換えると「上手な」話の聴き方である.教育現場やビジネス上の人間関係などさまざまな人間関係において,相手の話を聴く技術をもたないことによって生じるさまざまなトラブルが表面化してきたことを背景として,近年,「上手な」話の聴き方の科学的検証が求められている.本研究は,対面対話における,姿勢,表情,身体動作,周辺言語(「間」や発話速度など)のシンクロニーと,上手な聴き方との関連を調べ,受容的な話の聞き方の定量的モデル化を行うことを目的としている.
これまでに引き続き,受入研究者である認知心理学者の吉川左紀子先生に加えて,臨床心理学を専門とする桑原知子先生,ならびに社会心理学を専門とする渡部幹先生の協力を得て,心理療法(カウンセリング)における話の聴き方を探究している.本年度は主に,(1)カウンセラーとクライエントの身体動作に関する検討,および(2)カウンセラーの言語的表現を指標とした2者間のやりとりの質に関する検討を行なった。 (1)では,ビデオ解析により,カウンセラーとクライエントの間で身体動作を解析し,2者の間で身体動作が同期する現象(同調性)を実証した.さらに,この2者間の身体動作の同調性は相互作用者同士の関係性がよいほどレベルが高いこと,ならびに,カウンセリング50分間の間で,同調性のレベルは時間経過とともにあるパターンで変化することが示された. (2)では,話者交替時のカウンセラーの言語的表現によって各発話を分類することにより,カウンセリングと悩み相談における2者間のやりとりの質的相違が示唆され,また,高評価群における各発話の出現の時系列的パターンは、カウンセラーがクライエントを理解し更なる話を促すことと関連していると考えられた.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Body movement synchrony in psychotherapeutic counselin:a study using the video-based quantification method.2008

    • 著者名/発表者名
      Nagaoka, C., & Komori, M.
    • 雑誌名

      IEICE Transactions (in press)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ロボットに対する心理評価における社会的比較過程-ロボットのユーザへの選択的接近行動が好意評に及ぼす影響-2008

    • 著者名/発表者名
      小森 政嗣・長岡 千賀
    • 雑誌名

      感性工学 (印刷中)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] カウンセラーとクライエントの身体同調傾向-心理カウンセリングビデオの解析-2007

    • 著者名/発表者名
      前田 恭兵・長岡 千賀・小森 政嗣
    • 雑誌名

      信学技報 107(308)

      ページ: 13-18

  • [学会発表] Body movement synchrony in psychotherapy: a study using the video-based auantification method2008

    • 著者名/発表者名
      Nagaoka, C., Komori, M.Kuwabara.T., Yoshikawa, S., & Watabe, T.
    • 学会等名
      International Nonlinear Science Conference
    • 発表場所
      Tokyo
    • 年月日
      2008-03-14

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2013-04-25  

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