戦時の植民地開拓と戦後の国内開拓の「断絶」面・「連続」面に関して福島県西郷村の白河報徳開拓農業協同組合を事例とした考察を行い、その成果は下記の論文に掲載された。 伊藤淳史「加藤完治の戦後開拓-福島県白河開拓における共同経営理念をめぐって-」『農林業問題研究』第154号、2004年6月、76-80頁(地域農林経済学会大会個別報告論文) 本論文では、開拓指導者加藤完治の指導理念における戦時と戦後の「連続」、一方でその理念を形骸化させる形での農業経営の安定化(=「断絶」)という、戦後状況における理念と現実との乖離を指摘した。 また、植民地と農業教育の接点たる高等農業学校留学生について論じた著書に関して下記のブックガイドが掲載された。 伊藤淳史「ブックガイド 河路由佳・淵野雄二郎・野本京子著『戦時体制下の農業教育と中国人留学生』」『農業と経済』第70巻第9号、2004年7月、111頁 なお、8月には茨城県内原町・福島県西郷村において現地調査を行い、内原では戦時期より現在に至るまでの現存する機関紙誌の収集および関係者からの聞き取り、西郷では開拓第一世代および第二世代からの聞き取り調査を行った。
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