研究課題
野生チンパンジーの離合集散性を明らかにするため、ギニア共和国ボッソウ・ニンバ地域にて野生チンパンジーのオトナオスの遊動に着目して研究を進めてきた。複数のオスを同時に追跡し、その空間的な位置関係の変化を近接要因(発情メスの状態など)から説明しようと試みてきた。平成17年度は前年度に収集した行動データを解析し、学会および国際シンポジウムなどで成果を公表した(Kyoto Conference : Delphinid and Primates Social Ecology、IX International Mammalogical Congress、The 3rd International Workshop for Young Psychologists : Evolution and Development of Cognition、日本霊長類学会第21回大会、第8回SAGAシンポジウム)。得られた成果の一部は英文学術雑誌および英文書籍の1章として公表した。また2006年2月から3月にかけての48日間、再度ギニア共和国に渡航し追加のデータを収集した。この渡航によって、ボッソウのチンパンジーがリベリアの国境を越えて遊動すること、そしてリベリア側の20km程度しか離れていない村にもチンパンジーの群れが存在することなどが明らかになった。
すべて 2006
すべて 雑誌論文 (2件)
American Journal of Primatology 68(2)
ページ: 143-151
Cognitive Development in Chimpanzees (Matsuzawa T, Tomonaga M, Tanaka M (Eds.))
ページ: 439-451