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2006 年度 実績報告書

チンパンジーの対象操作と道具使用における認知発達

研究課題

研究課題/領域番号 04J01059
研究機関京都大学

研究代表者

林 美里  京都大学, 霊長類研究所, 助手

キーワードチンパンジー / 認知発達 / 道具使用 / 進化 / 比較発達
研究概要

チンパンジーがどのように物を扱うかを調べ、ヒトの認知発達の進化的基盤を探ることを目的に研究をおこなった。チンパンジー幼児3個体およびヒト乳幼児を対象として、対面場面における認知課題を実施し、その結果を直接比較した。積木をっむ課題から、物の物理的な特性の理解について調べた。積木をつむ能力は、進化的にみるとヒト以外では、チンパンジーなどの大型類人猿にしかみられず、高い認知機能との関連が示唆される。チンパンジーもヒトも発達の過程で積木をつむようになる。立方体の積木に加えて、円柱形の積木など形の違う積木を使うことで、物理的な特性を理解してつんでいるのかを明らかにした。形や向きの違いによって、つむのに適した状態とそうでない状態ができてくる。つむのに適した面を選択的に利用するのかなどを指標として分析した。チンパンジーでもヒトでも、積木の形によって達成に至るまでの難易度が大きく違っていた。また、両種とも効率的につむために使う行動方略が類似していることもわかってきた。円柱形の積木をつむ課題について、国際学会で報告するとともに英語論文として発表した。入れ子のカップなど複数の物を階層的に組み合わせることが必要となる課題でも、チンパンジーとヒトの類似性や異なる点が明らかになってきた。9個のカップを重ねる際に、ゴールまで至る過程の効率性を指標としてチンパンジーとヒトの比較をおこない、シンポジウムで発表した。野生チンパンジーのナッツ割りという道具使用の場面でみられる行動方略についても、物理的な特性の理解や効率性の観点から分析をおこなって学会にて発表した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Stacking of blocks by chimpanzees : developmental processes and physical understanding2007

    • 著者名/発表者名
      Hayashi M
    • 雑誌名

      Animal Cognition (published online in Aug 2006, printed in Apr 2007) 10

      ページ: 89-103

  • [雑誌論文] チンパンジーの物の操作にみる認知発達2006

    • 著者名/発表者名
      林 美里
    • 雑誌名

      発達 107

      ページ: 104-112

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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