研究課題
1.リビングラジカル重合による核機能化ミクロゲル星型ポリマーの合成申請者らは、これまでに引き続き、Ru錯体を用いたリビングラジカル重合により、ジフェニルスチリルホスフィン(配位子モノマー)存在下、エチレングリコール側鎖を有する両親媒性枝ポリマーをジビニル化合物で結合することにより、ミクロゲル核に直接重合触媒であるRu錯体を導入した両親媒性金属含有ミクロゲル星型ポリマーを合成した。これらの星型ポリマーは、GPC-MALLSにより絶対重量平均分子量:77-222万、回転半径:15-21、枝数:19-53本であることが分かった。UV-visより、核内Ru量は、ポリマー1gあたり24-39μmol/gと見積もられた。また、金属含有ミクロゲル星型ポリマーの核内Ruを水溶性トリスヒドロキシメチルホスフィンにより除去し、多数のホスフィン配位子をミクロゲル核に有する(金属を含まない)「空孔型」星型ポリマーも合成できた。さらにこのミクロゲル核に鉄やニッケルなどの別種金属錯体を導入し、種々の金属を核に有する新規金属含有ミクロゲル星型ポリマーも合成可能となった。2.ミクロゲル核によるナノ反応場の構築と機能の創出上記により合成した星型ポリマーの機能評価を行った。両親媒性Ru含有ミクロゲル星型ポリマーを2-プロパノール中、種々のケトンの還元触媒として用いたところ、速やかに還元反応が進行した。特に、アセトフェノンや2-オクタノンの還元触媒として用いたところ、基質に対して1000分の1という非常に低濃度の触媒量ながら、Ru均一触媒より反応速度が大きくなった。また、両親媒性金属含有ミクロゲル星型ポリマー触媒は、3回リサイクル使用しても触媒活性が変化せず、非常に高い安定性を有した。さらに、両親媒性Ru含有ミクロゲル星型ポリマーは、水/2-プロパノール混合溶媒中でも、ケトンの還元触媒として有効で、特に、2-オクタノンなどの疎水性の高い基質を組み合わせると、室温で水層に、反応中(100℃)で油層に移動し、感温性相転移挙動を示した。また、この挙動を利用した触媒のリサイクル使用も可能であった。
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