研究概要 |
RNAi法により、ヒトhMis12がスピンドルチェックポイントタンパク質Bub1,Bub3,BubR1の動原体局在に必要であることを明らかにした。また免疫沈降法により、これらのタンパク質がM期特異的に物理的相互作用していることも見いだした。RNAi法によりBub1,Bub3,BubR1を欠失させてもhMis12は動原体に局在すること、またBub1,BubR1の局在はCENP-Aには依存しないことから、CENP-Aとは独立にhMis12がこれらスピンドルチェックポイントタンパク質の足場となる動原体構造を形成していることが示唆された。さらに分裂酵母においてもBub1,Bub3の動原体局在がMis12に依存することを見いだした。Mis12がBub1,Bub3を動原体に局在化させる機能は、進化的に保存されていることが示唆された。 次にヒトhMis12のM期における動原体構築機能を調べるために、ノコダゾール停止した細胞抽出液を用いてFLAG-hMis12を免疫沈降し、共沈タンパク質をマススペクトロメトリーを用いて同定した。hMis12以外に、c20orf172,DC8,PMF1,AF15q14,HEC1,Nuf2,Spc24,Spc25,Zwint-1,Bub3の部分ペプチドが検出された。CBB染色の濃さ、および検出されたペプチド断片の数からhMis12は特にc20orf172,DC8,PMF1,AF15q14,HEC1,Nuf2,Spc24,Spc25,Zwint-1と強く結合していることが示唆された。c20orf172,DC8,PMF1は主に間期の細胞抽出液を用いても検出されており、細胞周期を通じてhMis12と複合体を形成していることが示唆された。
|