研究課題
コロナ大規模ガス噴出に関連する太陽風構造(ICME : Interplanetary coronal mass ejection)は最大規模の地磁気嵐を引き起こすため、宇宙天気予報の最重要研究課題となっている。データ解析と数値実験の両方の観点から、ICMEに対する地球電磁圏応答の仕組みを定量的に明らかにすることが本研究の目的である。本研究の最大の特色は、分単位という高い時間分解能で、ICMEの微細構造と地球電磁圏応答を捉えることである。本年度は、独自の数値実験コードの基礎開発を進めると同時に、第23太陽活動周期の約8年間における最大規模のICMEイベント約40例を全て取り上げ、ICMEの磁場を予測する手法の開発を行った。特に、ICMEの微細構造に注目して詳細な解析を行った。ICME前面に形成される衝撃波と、その衝撃波下流の乱流的な太陽風構造を調べるために、独自の衝撃波解析手法と不連続解析手法を開発した。これらの新しい解析手法によって衝撃波下流の磁場に幾つかの規則性が見出され、その規則性の衝撃波パラメター依存性を初めて明らかにした。得られた結果は、衝撃波下流の乱流構造が、時間変化する衝撃波による太陽風圧縮を反映していることを意味しており、宇宙天気予報への応用としてのみならず、プラズマ乱流の生成機構の具体例としても重要である。この結果は国内外の学会で発表し、Geophysical Research Letters.に投稿した。
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Space Weather (発表予定)
Eos Trans.AGU,85(47),Fall Meet.Suppl. SH31A
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