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2006 年度 実績報告書

寒冷時非ふるえ熱産生調節の神経機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 04J01500
研究機関(財)東京都医学研究機構

研究代表者

小林 章子  (財)東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 特別研究員(PD)

キーワード体温調節 / 浸透圧 / 神経投射 / 帯状回 / 視床下部背内側核 / 視床下部視束前野 / 正中視束前野
研究概要

1、皮膚冷却で誘起される非ふるえ熱産生に、視床下部背内側核(DMH)が関与し、さらにDMHは視床下部視束前野(POA)からの入力をうけてその反応を調節していることを明らかにした。また、浸透圧刺激によりPOAの局所加温による皮膚血管拡張反応が抑制されたので、暑熱脱水時の熱放散反応の抑制は、浸透圧上昇がPOAの温ニューロンの温度感受性を低下させていることを示した。今回、浸透圧や温度の両刺激で活性化される正中視束前野(MnPO)と浸透圧刺激のPOAに対する影響との関係を明らかにするために、薬物破壊ラットを用いて検討した。MnPO破壊ラットではPOAの局所加温による皮膚温の上昇が浸透圧刺激により抑制されなかった。したがって、浸透圧上昇はMnPOからの入力を介して、POAの温ニューロンの温度感受性を低下していることが明らかとなった。
2、皮膚温度受容器で検出された温度の求心性信号が帯状回などの大脳皮質へ伝わる。一方ここからは視床下部、中脳、延髄、脊髄の神経核を介して体温調節系の効果器に遠心性信号が送られるとされている。しかし、帯状回とこれらの神経核との間の投射に関する形態学的知見は少ない。今回、高等動物(サル)帯状回の神経投射の解剖学的特徴を明らかにする目的で、順行性トレーサーを帯状回へ注入し組織学的手法を用いて作成された標本により、視床下部および中脳における標識分布の形態学的解析を行った。トレーサーのbiotinylated dextran amine (BDA)を帯状回前部へ注入すると、標識終末(軸索)が中脳水道灰白質(PAG)の外側に認められ、とくに吻側のPAGに多く分布していた。一方、視床下部には標識終末はほとんど認められなかった。従来の研究により外側PAGは皮膚血管拡張の調節に重要な役割を果たすことが示唆されている。したがって、帯状回から外側PAGへの神経投射は、熱放散調節の機能に関係することが考えられた。

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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