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2006 年度 実績報告書

ホシササノハベラをモデルとした魚類の性転換の生理・分子機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 04J02290
研究機関基礎生物学研究所

研究代表者

太田 耕平  基礎生物学研究所, 生殖生物学研究部門, 特別研究員(SPD)

キーワード魚類生殖 / 性転換 / 性ステロイドホルモン
研究概要

本研究課題では性転換のメカニズムを解析する上で有用なホシササノハベラを用いて、昨年度までに、1)生殖腺において雌雄の配偶子形成を制御している性ステロイドの合成系が性転換に伴い著しく転換(シフト)すること、2)ステロイド合成系のシフトに上位で関わっていると考えられる脳下垂体の生殖腺刺激ホルモン(GtH)の遺伝子発現パターンが雌雄で異なること、を明らかにすると共に、3)生殖腺の器官培養系を確立し、in vitroにおいてアンドロゲンを用いて卵巣から精巣へ転換させることに成功している。
18年度は、ステロイド合成系のシフトを上位で関与していると考えられるGtHについてin vitro解析を行い、各種GtH様ホルモンが卵巣から精巣への性転換を誘導・促進することを明らかにした。また、これに伴い各ステロイド代謝酵素の発現変化が起こることから、生殖腺の性転換がGtHにより直接的に制御されていることが強く示唆された。一方、性ステロイドの機能を詳細に理解するため、抗アンドロゲン剤と共に卵巣を培養し、in vitroで性転換を誘導したところ、精巣への性転換が抑制された。加えて、精巣を抗アンドロゲン剤と共に培養した結果、雄性生殖細胞が消失し、芳香化酵素および卵母細胞や顆粒膜細胞の遺伝子マーカーの発現が認められた。すなわち、アンドロゲンは精子形成を誘導し、生殖腺を雄性化する一方、エストロゲン合成を抑制することで、生殖腺の雌性化を防いでいることが示唆され、先のステロイド合成系のシフトが性転換を制御しているという結果を決定づけた。一方で、性転換に伴う生殖腺の各種細胞動態について解析した結果、減数分裂前のステージにある生殖原細胞がいずれの時期にも生殖腺組織内に存在していたことから、これが卵子と精子の共通の幹細胞として機能していることが強く示唆された。

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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