研究概要 |
1.再結晶石英多結晶体中のH_2O,SiOHの測定法の確立 赤外反射分光マッピング測定により,塑性変形岩中に含まれる,水素欠陥(H_2O,SiOH)の分布濃度を明らかにする方法を確立した.応用例として,畑川破砕帯に産するマイロナイト中の再結晶石英多結晶体に含まれる水素欠陥(H_2O,SiOH)の濃度を測定し,これらの欠陥が歪軟化の原因になっていることを指摘した.これらの研究成果の一部を,国際誌(J.Microscopy)および3度の国際会議で報告した. 2.再結晶石英中のH_2Oのカソードルミネッセンスによる可視化 カソードルミネッセンス,赤外分光マッピング測定を用いて,畑川マイロナイト中の動的再結晶石英中に含まれる,転位,水素欠陥(H_2O)といった結晶中の欠陥濃度と分布が明らかに出来る可能性を指摘した.これらの研究成果の一部を,国際誌(Geol.Soc.London Spec.Pub.)に受理された. 3.微形連続体理論による多結晶体のファブリック形成に関する研究 多結晶体のファブリック形成を説明するTaylor-Bishop-Hill(TBH)モデルに関して微形連続体理論を用いて言及し,塑性変形岩のファブリックと弾性波異方性との関係について論じた.これらの研究成果の一部を国際図書(Earthquake Source Asymmetry, Structural Media and Rotation Effects)に受理され,国際会議でも報告した. 4.石英-石英間の摩擦発光に関する研究 地震電磁放射機構を明らかにするために,ピンオンディスク法を用いて,天然石英-石英間の摩擦による発光が,低応力,低すべり速度でも起きることを明らかにした.また,発光のサイクルが電磁放射を引き起こす可能性を指摘し,地震電磁気現象の一機構となり得ることを指摘した.これらの研究成果の一部を国際会議で報告した.
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