研究概要 |
1.高速工具サーボと超精密旋盤を用いた超精密旋削により,円筒方向および軸方向に波長100μm,振幅100nmの正弦波を重ね合わせた計測基準面の加工実験を行った.その結果,直径φ55mm,長さ150mmの円筒側面(材質:アルミ合金A5052)全面にわたり,計測基準面を創成することができた. 2.円筒端面に計測基準面を持つマスタを用いてUV転写加工を行った.厚さ100μmのポリエステルフィルム上に紫外線硬化樹脂を塗布してその上にマスタを配置し,紫外線を照射することで計測基準面(20mm×20mm)を転写することができた.これによりローラープレス転写加工への見通しが立った.また,本研究で用いるサーフェスエンコーダは計測基準面にレーザ光を照射し,反射光を読むため,計測基準面に金をスパッタすることで反射光を得ることが可能なことも確認した. 3.本研究で提案するステージシステムの有効性を確認するために,小型Sawyer型平面モータを用いてクローズドループ駆動実験を行った.2.で製作したフィルム状の計測基準面をSawyer型平面モータのプラテン面に貼り付け,フォーサ側に2次元角度センサを搭載してサーフェスエンコーダを構成した.計測基準面のサイズが20mm×20mmであるため,フォーサは計測基準面とは別の厚さ100μm程度のアルミ蒸着済みのポリエステルフィルムの上に配置して微小位置決め実験を行った.その結果,0.5μmの位置決め分解能で駆動可能なことが確認された.これにより本研究で提案するステージシステムの有効性が示された.
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