研究概要 |
・Pt/MCM-41の酸化還元反応の追跡 Ptナノクラスターは水素化反応等に対して高い活性を持つ優れた触媒であるが反応途中のPtナノクラスターの構造・電子状態に関する報告はない.そこでDXAFSを用い3.5wt%Pt/MCM-41触媒の水素吸着/離脱に伴う構造変化プロセスの逐次追跡実験をし,水素-酸素の表面反応に伴う水素吸着,骨格変動(0.273nm<->0.254nm)に関するダイナミクスを明らかにした.Pt-Pt原子間距離0.273nmからなる白金13原子クラスターに酸素を触れさせると,水素の脱離がドライビングフォースとなってクラスターが崩壊し,徐々に酸素と結合しながら小さな骨格が形成されていくと考えられる.一方水素導入過程では,PtとPt表面に付いた酸素との結合が水素との反応で壊れはじめ,半分程度となったところで原子間距離が0.269nmに伸び,その後ゆっくりと13原子クラスターが生成された.また,温度因子から反応熱の経時変化を算出することを世界で初めて試みた. ・ナノ秒時分割XAFSへ向けて:XSTRIPを用いたDXAFS法の高速化 DXAFSの高速化のため0.5μsecの最短信号蓄積時間を持つピクセルアレイ検出器(XSTRIP)を利用した装置の立ち上げを行い,次の評価実験を行っている段階にある.1):検出器の直線性,2):位置分解能,3):時間分解能,4):強度とノイズの関係 検出器をフォトダイオードアレーPDAからXSTRIPに変更することにより,測定時間間隔は22μs毎ではあるが,1パルス分,即ち100psの時間幅での結果が得られた.
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