細胞周期の調節に深く関与していることが知られている細胞内情報伝達分子であるスフィンゴシンキナーゼのターゲティング機構の詳細な解析 ・スフィンゴシンキナーゼのセリン/トレオニンリン酸化およびチロシンリン酸化について神経系の培養細胞を用いて探索を行った。チロシンリン酸化特異的抗体を用いてウェスタンブロットを行ったところ、TNF-α、ホルボールエステル、過酸化水素等、いずれの刺激においてもチロシンリン酸化は検出されなかった。セリン/トレオニンリン酸化に関しては既に報告されている結果と同様に225番目のセリン残基がリン酸化される事が確認された。 ・スフィンゴシンキナーゼは膜へトランスロケーションすることが既に報告されているが、このトランスロケーションの詳細な機構は分かっていない。そこで神経系の培養細胞を用いてスフィンゴシンキナーゼの膜へのトランスロケーションに関与する因子について解析を行った。まず膜へのトランスロケーションにおけるスフィンゴシンキナーゼ活性の関与を調べる為に、不活性型のスフィンゴシンキナーゼを構築して培養細胞に遺伝子導入し、その影響を調べたところ、このスフィンゴシンキナーゼの膜へのトランスロケーションには活性が必要である事が明らかとなった。またさらに、カルシウムおよびカルモジュリンの関与を調べたところ、カルモジュリンの関与は認められなかったが細胞内カルシウム濃度の上昇が膜へのトランスロケーションにおいて重要な因子である事が明らかになった。 スフィンゴシンキナーゼのin vivoでの発現調節系の確立 ・スフィンゴシンキナーゼのノックアウトマウスを作製する為の遺伝子導入用プラスミドベクターの作製を行った。
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