研究概要 |
本年度は主に、カリフォルニア大学サンディエゴ校・スクリプス海洋研究所において研究を行った。同研究所では、大量に蓄積されている深海底音響データを用い、世界のプレート屈曲場での火山の存在を確認するためのデータ処理を行った。東京工業大学との共同研究では本研究テーマの火山の発生要因を探るため、高温高圧発生装置を用いた深部マントルの再現実験を行った。 7月28日(日本時間)には、本研究の成果がサイエンス誌から発表された(Hirano et al.,2006)。その後国内外、各国の新聞、雑誌、テレビなど各メディアの取材を受け、研究成果は全世界に発信された。本研究の火山が、これまで予測されていなかった成因で生じた新種の火山であること、マグマの起源が未だ解明されていないアセノスフェアの状態を示すものであることなど、本研究の成果によって様々な新しい事実が判明し、このニュースは大変インパクトの大きいものであった。更に1月には、Hirano et al.(2006)の論文の内容を受け、地球科学、特に地球化学で著名なR.Hofmannらのレターを受け、Hiranoらは応答レターを書き、それらは再びサイエンスへ公表された。 本研究の成果発表アクティビティとしては、国内学会は9月に高知で行われた日本地質学会に参加し、口頭発表を行った。海外の学会では、12月にサンフランシスコで行われたAmerican Geophysical Union Fall Meetingにおいてポスター発表を行った。また、9月にポートランド行われたIODP Mission Moho Workshopでは、深海底掘削計画における本研究の火山の意義をアピールし、ポスター発表も行った。そのほかいくつかの依頼講演(4月:東京大学地震研究所,9月:東京大学海洋研究所,スクリプス海洋研究所,10月:海洋研究開発機構)を発表した。
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