研究概要 |
本年度の業績は,(1)アーム搭載1輪型ローバ「Uni-Rover」の操舵制御に関する研究,(2)地上アプリケーションを考慮した新たなロボット「単腕車輪ハイブリッドロボット槍騎」の開発,以上の二点に分けられる. (1)では,これまで研究してきた「Uni-Rover」の操舵制御について追加実験を行い,我々の提案する理論の更なる検討を行った.その結果,我々の提案している機体の姿勢から走行時における旋回半径を導出する方法は,理論と実機の挙動が良く一致する姿勢と,アームの張り出しなどに起因する動力学的な効果を考慮しなければならない姿勢が存在する事が結論付けられた.また,構築した旋回半径導出法を用い,機体の転倒安定性を保つ事を主体に考えた操舵制御法を提案した.本研究結果の詳細は『Special Issue of the Journal Autonomous Robots "Unconventional Robotic Mobility"』にタイトル「Development of Arm Equipped Single Wheel Rover : Effective Arm-Posture-Based Steering Method」として掲載される予定である(現在印刷中). (2)では,これまで研究してきた「Uni-Rover」に自由度を付加し再配置する事で,Uni-Roverより高い不整地走破性とマニピュレーション作業性を実現するロボット「槍騎-II」を提案し,その機体に搭載するアクチュエータユニットを開発した.コンセプトの提案は,第22回日本ロボット学会学術講演会にて「単腕車輪ハイブリッドロボット「槍騎」の開発(第1報)コンセプトの提案と検討」(1G13)というタイトルで発表している.また,関節に直接組み込み可能であるユニット化された駆動源を開発する事により,(a)防塵・防水がより容易となる,(b)メンテナンスはユニット交換のみで簡便となる,(c)ユニット外部の伝達機構が不要で機体の軽量化と高信頼性が実現可能となる,といった利点が生じるため,アクチュエータユニットの開発を行った.また動作検証実験も行い,槍騎-IIのアクチュエータユニットとして十分な性能を有する事を確認した.
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