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2005 年度 実績報告書

リン酸エステル結合を有しかつ高度に官能基化された抗腫瘍活性分子の不斉合成

研究課題

研究課題/領域番号 04J04501
研究機関東京工業大学

研究代表者

王 永剛  東京工業大学, 生命理工学研究科, 特別研究員(DC2)

キーワードPhoslactomycin / fostriecin / アミノ基 / リン酸 / キレート型求核付加反応 / 薗頭反応 / [2,3]-Wittig反応 / deamino体
研究概要

Phoslactomycinsとfostriecinは近年単離、構造決定された抗生物質である。phoslactomycinsは骨髄ストローマ細胞がコロニー促進因子を増殖する過程において、誘発活性を持っている。つまり、造血機能異常の治療に有効であり、臨床への応用が期待されている。しかし、作用メカニズムの詳細はまた解明されていない。一方,構造に目を向けると、5個の不斉中心に加え,リン酸基とアミノ基を有しており合成は困難を極めると予想される。しかしながら、phoslactomycinsの合成法を確立できれば,この分野に貢献できると信じ,以前私が手がけたfostriecinの合成を参考にして合成研究を開始した。
はじめに、分子中央部に相当するα-PMB-オキシ・ケトンを合成した。これに,ビニルアニオンを反応させるとキレート型球核付加反応が高選択的に進行し、望む立体化学を有する化合物が得られた。次に、この分子の左側にラクトン環を構築し,一方,右側には薗頭反応とZnを用いるアセチレンの還元反応を組み合わせてシス・シス共役ジエンを構築した。続いて、アミノ基を光延法で導入し,その後,9位のPMB保護機を外してリン酸基を導入した。最後に水酸基の脱保護に続いてアミノ基とリン酸基の脱保護を行ない,phoslactomycin Bを合成した。さらに,アミノ基を導入せずに同様の変換反応を行うと生合成中間体として提唱されているdeamino体も合成できた。
次に,右端にあるシクロヘキシル基上にキラルなエステル化された水酸基を有するタイプのphoslactomycinsの合成研究を行った。はじめに,キラル補助剤を持つアクリル酸エステルとブタジエンとのDiels-Alder反応を活用して工学活性なシクロヘキシル環の合成法を確立した。一方,左端のラクトン部分は[2,3]-Wittig反応を活用する構築法を見いだした。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Total Synthesis of Phoslactomycin B (Phospholine) and the Biosynthetic Deamino Precursor2006

    • 著者名/発表者名
      Y.G.Wang, R.Takeyama, Y.Kobayashi
    • 雑誌名

      Angew. Chem. Int. Ed. 45(in press)

  • [雑誌論文] Synthesis of Alaremycin2006

    • 著者名/発表者名
      U.G.Wang, M.Wachi, Y.Kobayashi
    • 雑誌名

      Synlett (in press)

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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