研究概要 |
1または2個のジメチルアミノ(Me_2N)基を有する1,1-ジフェニルエチレン(DPE)誘導体を用い、有機金属試薬(sec-ブチルリチウム、カリウムナフタレン)との反応で得られる官能基化DPEアニオンからフェニルビニルスルホキシドを付加重合することで、鎖末端に1〜2個、または鎖中央に1〜4個のMe_2N基を有する新規官能基化ポリ(フェニルビニルスルホキシド)(PPVS)の合成に成功した。合成はブレークシール法を用い、高真空下(10^<-6> torr)、THF中、-78℃で行った。SEC、NMR、VPO、FT-IR測定より、得られたポリマーが設計通りの分子量および狭い分子量分布(〜1.1)を有することを確認した。さらに、官能基化PPVSと別途合成した鎖末端にカルボキシ(COOH)基を有するポリスチレンをTHF中、25℃で1時間反応させることにより、イオン結合(COO^-Me_2HN^+)を介したABジブロック共重合体、3本腕A_2B型、および4本腕A_2B_2型非対称スターポリマーの合成に初めて成功した。それらの構造が目的通りであることをSLS、NMR、FT-IR測定により確認した。分子量は5K〜50Kに相当する。得られた各ポリマーをTHF溶液から銅メッシュ上のカーボン膜にキャスト後、高真空下150℃で5時間加熱し、PPVSセグメントを導電性ポリアセチレンセグメントに変換した。3本腕A_2B型非対称スターポリマー(A=ポリスチレン、B=ポリアセチレン)をI_2蒸気で染色し、TEM観察を行うと、幅3.5ナノメータのポリアセチレンドメインが規則正しく並んだ交互ラメラ構造が確認できた。
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