研究概要 |
UWBに適応するアレーアンテナの検討として,従来のアレーアンテナの技術を応用することに重点を置いた研究を進めた.具体的には,各アンテナ素子が全て同じ特性かつ素子間相互結合を無視として研究を進めた.まず等間隔線形アレーアンテナ(Uniform Linear Array : ULA)にチェビシェフ指向性合成法を適用した場合の超広帯域特性を検討した結果,ULAにおいて超広帯域に渡ってサイドローブレベルの低いビームパターンを与えること,波形全体のビームパターンではサイドローブのないビームを形成することを計算機シミュレーション及び理論解析によって示した. 次の研究段階として,対象のアレー構造を360度全てに同等の幅や形のビームを生成することが可能な等間隔円形アレー(Uniform Circular Array : UCA)に着目し,それに応じたサブバンド指向性合成法の検討を行った.UCAで指向性合成する場合,いったん仮想的にULAのアレー応答ベクトルを生成し,そのベクトルに対して指向性合成の重みづけを行う。しかし,この方法ではある特定の周波数でしか所望の性能を得ることができない.そこで本年度の研究ではサブバンド分割を行い,それぞれの周波数において指向性合成をすることで広帯域にわたって所望のビームパターンを合成できることを計算機シミュレーションによって示した. また,これらの研究成果を国内の学会にて2件の研究発表を行った.
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