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2006 年度 実績報告書

最強の自然毒パリトキシンによる食中毒および生物界におけるその分布と畜積機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 04J05119
研究機関広島大学

研究代表者

谷山 茂人  広島大学, 大学院生物圏科学研究科, 特別研究員(PD)

キーワードパリトキシン / ハコフグ / ウミスズメ / Ostreopsis渦鞭毛藻 / フィリピン / 高速液体クロマトグラフィー / 固相抽出法 / 精密ろ過法
研究概要

本年度は、パリトキシン(PTX)による食中毒に関速して生物界における有毒種の分布と毒蓄積機構の解明を推し進める目的で以下のとおり実施した。
(1)平成17年度に引き続き、長崎県、宮崎県、徳島県および山口県産ハコフグとウミスズメ計130個体の毒性を調べたところ、約40%が有毒であった。また、山口県を除く採捕海域または隣接海域にはOstreopsis属渦鞭毛藻が分布し、各培養株と魚類の毒の性状はPTXと類似しており、魚類の毒化に本藻の関与が示唆された。
(2)平成17年度の知見を踏まえ、フィリピン・ビサヤス諸島産魚類46検体の毒性スクリーニングを継続して行った。まず、32検体は水溶性の遅延性毒性を示し、特にパナイ島産魚類の毒性は強く、その多くはPTXと類似した性状であった。一方、同試料10検体から抗シガトキシン抗体に対して陽性である毒性が検出され、一部の試料には複数の毒因子が含まれていると考えられた。
(3)PTX標準品の高速液体クロマトグラフィー分析において、0.1%ギ酸を含む20%または80%アセトニトリル溶液2種類を移動相とし、そのリニアグラジエントによって濃度0.1μ/g以上の高感度な検出が実現した。本法はイオントラップ型および飛行時間型質量分析にも応用可能であった。一方、本分析の前処理法には限界ろ過法は不向きであり、精密ろ過法が適していた。また、Oasis【○!R】MAX(Waters, USA)を用いた固相抽出法は、PTXの簡易精製に極めて有効であった。現在、Ostreopsis属渦鞭毛藻(培養株)の部分精製毒を本手法に基づき分析しており、その構造情報を得つつある。また、有毒な魚類についても同様に分折中である。
以上、最終年度となる本年度はPTXの高感度な検出法と簡易な前処理法を確立し、PTX保有生物に関する新たな知見が見出された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006 その他

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Detection of tetrodotoxin (TTX) from two copepods infecting the grass puffer Takifugu niphobles : TTX attracting the parasites?2006

    • 著者名/発表者名
      Ito, Katsutoshi
    • 雑誌名

      Toxicon 48・6

      ページ: 620-626

  • [雑誌論文] 高速液体クロマトグラフィーによるパリトキシンの微量分析

    • 著者名/発表者名
      相良剛史
    • 雑誌名

      四国大学紀要自然科学編 (掲載決定)

  • [雑誌論文] 軟体動物ウミフクロウの毒性について

    • 著者名/発表者名
      相良剛史
    • 雑誌名

      四国大学紀要自然科学編 (掲載決定)

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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