研究課題
Tim50膜間部ドメイン(Tim50-IMS)との相互作用が弱くなるtim23変異体の検索を、酵母Two-hybrid法を用いて行っていた。その結果、Tim23膜間部ドメイン(Tim23-IMS)に予測されるcoiled-coil領域が、Tim50-IMSとの相互作用に寄与している事を示唆する結果を得た。そこで、このcoiled-coil領域に変異を導入したtim23変異株を作成した。作成したtim23変異株の内、coiled-coil領域において疎水表面を形成すると考えられるアミノ酸に変異を導入した株が温度感受性を示した。これらの株から単離したミトコンドリアを用いた生化学的実験により、Tim23のcoiled-coil領域に変異を導入したtim23変異体がTim50-IMSと相互作用できなくなっている、もしくは弱くなっている事を確認した。次にTim23-Tim50相互作用がミトコンドリアタンパク質の膜透過に影響を及ぼすかを、in vitro import実験を行う事により検証した。その結果、tim23温度感受性変異株由来のミトコンドリアでは、マトリクス、膜間部に局在化するミトコンドリアタンパク質の取り込み速度が野生型に比べ著しく低下した。これはTim23-Tim50相互作用がミトコンドリアタンパク質の膜透過に重要な役割を果たしている事を示している。またこれらの実験の過程で、ミトコンドリア外膜に局在するb-バレルタンパク質のアッセンブリーに関与する2つの新規因子Tom38、Tom13の機能解析(Ishikawa et al.(2004))、ミトコンドリアHsp70と相互作用し、膜透過反応に関わる新規因子Tim15の機能解析をおこなった(Yamamoto et al.(2005))。
すべて 2005 2004
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FEBS Letter 579
ページ: 507-511
Journal of Cell Biology 166
ページ: 621-627