・系統樹の同一判定プログラムの改良 本研究ではゲノム配列が決定している生物を対象とし、それらの生物の全てのORFを用いて可能な限り多くのオーソログの系統樹を作成し、その系統樹同士の形を比較し、最も多くの系統樹によって樹形が支持される系統樹を検出した。改良前のプログラムでは、各分岐点における支持率を計算していなかったため、各分岐点における支持率を把握できなかった。今回の改良では、比較元の系統樹のある分岐点の分岐パターンと比較対象の系統樹の分岐点の分岐パターンを比較し、矛盾していない分岐点を持つ数を各分岐点ごとにカウントした。また、本解析では比較するOTUの数は系統樹によってまちまちなので、分岐点を比較する際、比較すべきOTUが揃わない事がある。よって、比較すべきOTUが揃った回数で分岐パターンが一致した回数を割ることにより、分岐点の評価の向上を試みた。この支持率をブートストラップ検定の結果と比較した。また、各分岐点の支持率が最大になる系統樹を探索し、全てのオーソログの連結系統樹と比較した。 ・進化シミュレーションによる方法の評価 Simprotを用いて進化シミュレーションを行い、本解析法の精度を確認した。シミュレーションの基準は以下に示すとおりである。 1.アミノ酸長は解析に用いたオーソログの平均値を用いた。 2.初期モデル系統樹には全てのオーソログの連結系統樹を用いた。 3.アミノ酸置換行列にはJTTモデルを採用した。
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