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2004 年度 実績報告書

企業の製品差別化戦略と製品の品質に対する消費者意識の関係

研究課題

研究課題/領域番号 04J06306
研究機関九州大学

研究代表者

荒川 潔  九州大学, 大学院・経済学研究院, 特別研究員(PD)

キーワード製品差別化 / 消費者行動 / ブランド戦略
研究概要

今年度は基礎的な理論モデルを構築することに専念した.まず,代表的な製品差別化のモデルであるHotellingモデルとDixit-Stiglitzモデルを統合するモデルを作成し,商品の多様性に関する選好を持つ消費者に対する小売業者の製品差別化戦略を,ショッピングセンター間の競争という枠組みで分析した.この研究では,消費者の選好が強い場合には,小売業者が都心において集解し立地するメカニズムを明らかにしたとともに,伝統的な商品の価格もしくは数量に関する競争とは異なる商品の多様性に関する競争という新しい概念を提案することができた.現在この研究の成果を雑誌に投稿中である.
次に,消費者の商品の品質を認識する能力に関する基礎的な理論研究を行った.従来の研究では,消費者は商品の品質そのものを知らないとの情報の非対称性が想定されており,消費者はその品質を直接サーチするとの行動が想定されてきた.しかし消費者が自らが望む情報を直接に入手することが可能であるのかは必ずしも明らかでない.現実的には,限られた情報の中から消費者は品質を推測すると考えるのが妥当的であると考える.例えば,消去法のように,消費者は自分の好みでない商品を消去していくことで,結果として自分の好みである商品に近づくことができる.この考え方は,従来の消費者行動モデルではほとんど考慮されていなかった観点である.企業のブランド戦略においては,良いイメージをブランドに与える戦略とともに,イメージを悪くしないことも重要な戦略である.なぜなら,消費者のブランド観は多様であり,商品に詳しくない消費者は,悪いイメージがないという理由で商品を選択する場合があるからである.この研究で,多様な商品の品質を認識する能力を持つ消費者を同時に分析することが可能となる.現在,基礎的な理論モデルを構築中であり,来年度にそれを完成させ,さらに実証研究につなげることを計画している.

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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