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2005 年度 実績報告書

高温融体物性を利用した窒化ケイ素の液相焼結プロセス解明とその最適化

研究課題

研究課題/領域番号 04J06524
研究機関九州大学

研究代表者

齊藤 敬高  九州大学, 工学研究院, 特別研究員PD

キーワード高温融体物性 / 希土類酸化物融体 / 窒化ケイ素溶解度 / 異方性オストワルド成長 / イオン半径
研究概要

本研究では,代表的な窒化ケイ素セラミックスの焼結助剤であるRE-Mg-Si-O-N(RE=Y,Gd,Nd and La)系オキシナイトライド融体中における,窒化ケイ素の結晶成長の動力学に及ぼす希土類酸化物の影響を高温融体物性の観点から速度論的に解釈した.
RE-Mg-Si-O-N系において,イオン半径の小さい希土類を含む系ほどα-β相転移速度が大きいことを明らかにした.また,La-Mg-Si-O-N融体中のβ-Si_3N_4結晶は長さ方向に広い分布を持つことがわかった.一方,Y-Mg-Si-O-N融体中においては長さ方向だけでなく幅方向へも広い分布を持ち,GdおよびNdを含む系は両者の中間の分布を示した.さらに,La-Mg-Si-O-N融体中のβ-Si_3N_4結晶の平均アスペクト比は保持時間にともなって徐々に増加することがわかった.また,他の希土類酸化物を含む系では平均アスペクト比は保持時間256minまで直線的に増加し,その後一様に減少した.以上の変化は,窒化ケイ素のα-β相転移および異方性オストワルド成長によるものであることを明らかにした.
以上,定量的に評価した窒化ケイ素セラミックスの結晶成長挙動を結晶面の化学ポテンシャルを成長の駆動力とする異方性オストワルド成長のモデルを用いて速度論的に解析した.このとき,本研究で測定したRE_2O_3-MgO-SiO_2系融体の高温融体物性データをもとに,数値解析に必要なパラメータ(界面エネルギーおよび拡散定数)を算出し,(101^^-0)面の界面反応定数の比をY:Gd:Nd:La=100:10:5:1としてRE-Mg-Si-O-N系融体中におけるβ-Si_3N_4の平均アスペクト比を再現することができた.以上のシミュレーション結果から,β-Si_3N_4結晶成長の律速段階は界面反応であり,β-Si_3N_4結晶のモフォロジーを決定的に変化させているのは(101^^-0)面の界面反応であることが推測できた.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Viscosity and Surface Tension Measurements of RE_2O_3-MgO-SiO_2(RE=Y,Gd,Nd and La) Melts2006

    • 著者名/発表者名
      Fumiyumi SHIMIZU et al.
    • 雑誌名

      ISIJ International 46

      ページ: 388-393

  • [雑誌論文] MgO-SiO_2系融体の液相線温度および粘度に及ぼすRE_2O_3(RE=Y,Gd,Nd and La)添加の影響2005

    • 著者名/発表者名
      齊藤敬高ら
    • 雑誌名

      日本金属学会誌 69

      ページ: 152-158

  • [雑誌論文] RE(RE=Y,Gd,Nd and La)-Mg-Si-O-N系融体中におけるβ-窒化ケイ素の結晶成長2005

    • 著者名/発表者名
      中田大司ら
    • 雑誌名

      日本金属学会誌 69

      ページ: 719-722

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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