• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2005 年度 実績報告書

難防除双翅目衛生害虫に有効な昆虫病原細菌のδ内毒素に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 04J06670
研究機関九州大学

研究代表者

大串 彰  九州大学, 農学研究院, 特別研究員(PD)

キーワードBacillus thuringiensis / δ内毒素 / ネッタイシマカ / cry遺伝子 / Cryタンパク質
研究概要

グラム陽性細菌Bacillus thuringiensisが産生するδ内毒素は、特定の昆虫幼虫に強い殺虫活性を示すことが知られている。この特性を利用したB.thuringiensis微生物農薬は、農業・衛生害虫の防除に世界中で利用され、大きな成果を挙げている。2000年に沖縄県の土壌から分離されたB.thuringiensis serovar sotto沖縄株は、難防除衛生害虫であるネッタイシマカ幼虫に強い殺虫性を示す。本研究では、この沖縄株に着目し、そのδ内毒素をコードするcry遺伝子のクローニングと全塩基配列の決定を行った。
沖縄株の産生するParasporal inclusionを精製、可溶化し、イオン交換クロマトグラフィーを行った。その結果、5つの溶出ピークが確認され、各画分をネッタイシマカ2齢幼虫に供試したところ、第一ピークにあたる非吸着画分にのみ殺虫活性が認められた。この画分をSDS-PAGEで解析すると、66-kDaおよび62-kDaにあたる2種の蛋白質が含まれていることがわかった。それぞれのN末端アミノ酸配列を解析したところ、66-kDa蛋白質のそれは双翅目殺虫蛋白質として知られるCry4Aのそれと60%の相同性を示し、毒素活性の本体を担う可能性が認められた。
この66-kDa蛋白質のN末端配列および双翅目殺虫性Cryタンパク質の保存領域であるBlock3の配列をもとにプライマーを作製し、degenerate PCRを行った結果、200bpsの増幅産物が認められ、その塩基配列は既存のデータベースに存在しなかった。この増幅産物をプローブDNAとして、沖縄株のplasmid DNAに対してサザン解析したところ、ClaI切断した7.2kbs断片と強い反応が認められた。この7.2kbs ClaI断片をpBluescript SK II(+)にクローニングし、全塩基配列を決定した結果、2.1kbsのcry遺伝子が座乗しており、その配列は既存のcry遺伝子のそれとは異なる新規性の高いものであった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Identification of two haemolysins in larvicidal activity of Bacillus thuringiensis against the bean bug, Riprortus clavatus2006

    • 著者名/発表者名
      Yuko Kubota
    • 雑誌名

      Journal of Applied Entomology (未定)(印刷中)

  • [雑誌論文] Cloning and Characterization of Two Novel Genes, cry24B and slorf2, from a Mosquitocidal Strain of Bacillus thuringiensis serovar sotto2005

    • 著者名/発表者名
      Akira Ohgushi
    • 雑誌名

      Current Microbiology 51巻・2号

      ページ: 5

  • [雑誌論文] Cloning and characterization of a novel gene cryE9cl encoding lepidopteran-specific parasporal inclusion protein from a Bacillus thuringiensis serovar galleriae strain2005

    • 著者名/発表者名
      Naoya Wasano
    • 雑誌名

      Canadian Journal of Microbiology 51巻・11号

      ページ: 7

URL: 

公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi