研究概要 |
本年度の補助金助成を受け,上記の研究課題に関わる新たな研究を一本の論文としてまとめることができた.また,既に行っていた研究に関しても,学会での発表を通してその完成度を高めることができた. 1.新たに行った研究成果の概要: 政府の公共投資(道路,橋梁もしくは治安維持のための出費)が,経済発展や経済成長に重要な役割を果たすことは良く知られている.しかしこれまでの理論分析では,公共投資の財源として専ら所得税のみが考えられてきた.そこで今回行った研究では,公共投資の財源として所得税だけでなく,以下を考慮した成長モデルを構築した. 想定(1) 政府は公共投資の財源を国債発行で賄える 想定(2) ただし,国債発行残高が経済のGDPに占める割合に制限がある この結果,政府が追加的な公共投資を主に税から賄う場合と,主に国債発行によって賄う場合とでは,経済成長率に与える影響が大きく異なることが明らかとなった. 2.学会報告による成果: 本年度以前(補助金交付年度以前)から進めていた研究に関しても,本年度における学会発表を通してその完成度を高めることができた.以下に本年度の補助金助成を受けて発表した学会を述べる. (1)2004年度日本経済学会春季大会 明治学院大学 報告論題:(i)Credit Market ImPerfection and Industrialization (ii)Indeterminacy in a Two-sector Endogenous Growth Model with Productive Government Spending (2)Public Economic Theory 04 北京大学 報告論題:(i)Credit Market Imperfection and Industrialization (ii)Indeterminacy in a Two-sector Endogenous Growth Model with Productive Government Spending (3)2004年度 日本経済学会秋季大会 岡山大学 報告論題:Intergenerational Strategic Complementarity in a Growth Model with Education 最後に,11.研究発表.に記載したように,一本の論文が英文査読付雑誌に掲載を許可されることとなった.
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