研究課題
ガス交換システムを用いた解析から、ホウレンソウ葉において、光合成の最適温度の変化には、RuBP再生産速度とRuBPカルボキシレーション速度の比の変化が重要であることを定量的に示した。カルボキシレーション反応の温度依存性は種や栽培条件によって、あまり変化しないと考えられてきた。しかし、本研究によって、カルボキシレーション反応の温度依存性の変化が、光合成の最適温度の変化に大きく関与していることを示した。また、このことは、Rubiscoの酵素特性自身が温度馴化している可能性を示す。そこで、栽培温度の異なるホウレンソウ葉からRubiscoを精製し、それぞれのRubiscoの性質を比較した。その結果、栽培温度によってRubiscoのカルボキシレーション反応/オキシゲネーション反応の活性比(specificity factor)、最大活性(V_<cmax>)の温度依存性、そして、熱安定性に違いがあった。また、栽培温度の違いにより、Rubisco small subunitの二次元電気泳動パターンに違いがあった。これらの結果は、低温(高温)に馴化したホウレンソウ葉では、低温(高温)側で効率良く働くRubiscoアイソザイムが発現している可能性、もしくは、Rubiscoの翻訳後修飾が栽培温度によって異なる可能性を示している。つまり、Rubiscoの酵素特性の変化が、光合成速度の最適温度の変化に貢献している可能性が示された。
すべて 2005
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Plant, Cell and Environment (印刷中)