研究概要 |
本申請研究課題は単子葉植物であるテッポウユリの花粉を材料として、被子植物の受精メカニズムを雄性配偶子発現遺伝子から解明することを目的としたものである。今年度の研究成果として次のことが得られた。 1,申請者がテッポウユリ花粉から発見した新規雄性配偶子特異的タンパク質GCS1ついて、シロイヌナズナにおける精細胞特異的発現を確認した。この結果から、GCS1の機能発現は受精に向かうステージまで持続することがわかった。 2,精細胞追跡マーカーとして、精細胞核で赤色蛍光タンパク質mRFP1が特異的に発現するシロイヌナズナ株を利用し、GCS1変異株における精細胞の挙動を追跡した。その結果、卵細胞に向けて放出された変異株精細胞は卵細胞の目前で受精できないことがわかり、GCS1が植物受精を決定づける因子であることが明らかとなった。 以上2つの有力なデータを基にした成果をNature Cell Biology (2006年1月号)に発表した。
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